3-5-2 Time bar
閲覧者数:60、最終更新日2024/03/15
通常、権利には、一定期間にこれを行使しないと、その満了以降はこれを行使できなくなってしまうという期間が設定されています。国際海上物品運送における荷主のCargo claimに関するこの期間は、日本法上1年の除斥期間とされ、時効のように更新(中断)や完成猶予(停止)といったことがありません(ただし、運送品の滅失等による損害が発生した後に限り、合意により延長することができます)。この期間は、準拠する法律、適用される条約、損害の発生時期によっても変わってきますので、ご自身の契約に適用されるこの期間がどういったものになるのか確認する際には、十分注意が必要です。
事例(ID:33326)
相談者:船主 閲覧者数:16、最終更新日2024/03/08
船荷証券に基づく仲裁が集会所に提起された場合、揚地が外地であるときは除斥期間の開始日は外地時間によるのか、それとも日本時間によるのか。
英法上、Demurrageの請求に関して、荷揚の行われたTime zoneに従って決定されるとされた先例がある。集会所にはそのような事例はなく、最終的には仲裁人が判断することになるが、上記の例は参考になるのではないか。
事例(ID:33327)
相談者:船主 閲覧者数:26、最終更新日2024/11/14
船荷証券の保存期間は何年とすべきか。
除斥期間は1年だが、LOI渡しなどの際はこれにとらわれないと考え、準拠法国や揚地での不法行為請求の時効を考慮したり、日本の法人税法施行規則を考慮し7年としたりする会社もある。なお、日本法上「いかなる場合においても運送人は引き渡されるべき日の後1年以内に訴訟が提起されないときは運送品の不着について一切の責任を免除される」旨の規定をLOI渡しの場合であっても有効とした先例があるが、英国最高裁においても、HR、HVRのいずれが適用される場合であっても、荷揚時のLOI渡しであれ荷揚後のLOI渡しであれ、1年のTime barが適用されると判断されている。
事例(ID:33328)
相談者:船主 閲覧者数:21、最終更新日2024/03/12
HRが適用される英法準拠のB/Lに基づき貨物損害に関する賠償請求を受けたが、既に当該貨物の荷揚後1年を経過していた。本件貨物の運送のためのV/C締結後、その航路上で完結するもう1つのV/Cを締結してこれを行ったため、若干の離路は発生したが、これを理由に1年のTime barが適用されなくなるはずだと荷主が主張している。そのようなことがあるのか。
確かに、英法には先例拘束主義があり、1936年の貴族院判決で離路の場合には1年のTime barは適用されないと判断され、以降この点についてこれを修正した貴族院または最高裁判決がないためこれに従わざるを得ないとした2018年の高等法院判決がある。ただ、契約に反して甲板積みし、貨物損害が生じた場合、以前は「in any event」であってもPackage limitationが適用される旨の規定についてその適用はないとされていたが、現在では裁判所はその考えを改めており、離路についても単に最高裁までいって争われていないためにこれが覆っていないだけであるとも考えられるため、その点を強調して荷主と粘り強く協議してはどうか。