1-2-1-1-2 WIBON, WIPON (whether in berth or not, whether in port or not)
閲覧者数:470、最終更新日2021/12/23
バースチャーターにおいて船混みにより本船が指定されたバースまで直行できない場合、理論上、船主はそれが解消され本船がバースに到達するまでNORをTenderできないこととなり、遅延のリスクを負います。その回避のため、「本船がバースにいる/いないに関わらずNORをTenderできる(whether in berth or not)」とする条件が規定されることがあり、この規定によって、本船が指定されたバースに直行できなくても、船混み等、バースが利用できないことによって遅延が生じるような場合には、船主は本船が港内の錨地等、港内の通常の待機場所に到達した段階でNORをTenderすることができるようになります。
また、ポートチャーターにおいても、船混み等により本船が港内の錨地等、港内の通常の待機場所に到達できない場合、船主はそれが解消され本船が港内の錨地等、港内の通常の待機場所、またはバースが利用できる場合にはバースに到達するまでNORをTenderできないこととなり、同様に遅延のリスクを負います。その回避のため、「本船が港内にいる/いないに関わらずNORをTenderできる(whether in port or not)」とする条件が規定されることがあり、この規定によって、船混み等により本船が港内すら進入できなくても、船主は本船が最大限到達可能な場所に到達した段階でNORをTenderすることができるようになります。
事例(ID:212)
相談者:傭船者 閲覧者数:77、最終更新日2021/12/23
WIBON規定のあるバースチャーターにおいて、港内錨地到着時にバース自体は空いていたが、悪天候のためバースに至る水路が封鎖されていたことから、本船が港内錨地に到着した時刻をもってNORがTenderされた。船主より、WIBON規定があることから、NORは有効であり、水路封鎖が解除されるまでの待機にかかった時間もLaytimeとしてカウントすべきであると主張されているが、この主張は妥当か。
妥当ではないと思われる。一般にWIBON規定は船混みにより本船がバースまで直行できない場合等、バースが利用できない場合を想定したものとされるため、悪天候による水路封鎖に伴って生じる遅延リスクは依然船主側にあるといえるから、本船がバースに依然到達できていない以上当該NORは無効であり、待機にかかった時間はLaytimeとしてのカウント対象とはならないと考えられる。
事例(ID:214)
相談者:傭船者 閲覧者数:67、最終更新日2021/12/23
WIBON規定のあるバースチャーターにおいて、港内錨地到着時にバース自体は空いていたが、港湾当局の管理船が業務のため水路を塞いでいたため、本船が港内錨地に到着した時間をもってNORがTenderされた。船主より、WIBON規定があることから、NORは有効であり、水路封鎖が解除されるまでの待機にかかった時間もLaytimeとしてカウントすべきであると主張されているが、この主張は妥当か。
妥当ではないと思われる。WIBON規定は、船混みより本船がバースまで直行できないケース等、バースが利用できない場合を想定したものとされるため、管理船によってバースまで到達できないことで生じる遅延リスクは依然船主にあるといえるから、本船がバースに到達できていない以上当該NORは無効であり、待機にかかった時間はLaytimeとしてカウント対象とはならないと考えられる。
事例(ID:215)
相談者:船主 閲覧者数:66、最終更新日2021/12/23
GENCON(1994年版)を用いたバースチャーターにおいて、目的のバースを含め、当該港に船混みが発生しており、本船が港内の錨地に到達することができなかったため、本船が港外のとある海域におけるドリフティング開始時刻をもってNORをTenderした。待機にかかった時間及びドリフティング地点から岸壁までの移動かかった時間をLaytimeとしてカウントできるか。
第6条(c)項の解釈上、WIBON/WIPONと同様の趣旨が規定されていると思われる。よって本船は到達可能な場所まで到達した段階でNORをTenderできることとなる。そうすると、当該港外の「とある海域」が、本船が到達できる最大限の地点であったか否かが問題となるが、そうであれば、本件NORは有効であり、(約定の猶予期間等経過の後に)Laytimeのカウントが開始し、もって当該待機時間についてはLaytimeとしてカウントされるものと考えられる。もっとも、その海域からバースまでの実際の移動にかかった時間(いわゆるShifting time)は、同項の別の規定より、カウントされないものと思われる。
事例(ID:216)
相談者:船主 閲覧者数:64、最終更新日2021/12/23
WIBON規定のあるバースチャーターにおいて、船混みは発生しておらず本船はバースに直行できる状態にあったが、本船はパイロットステーション到着・通過時にNORをTenderした。本船はそのままバースに直行し接岸完了し、遅滞なく荷役は開始された。この場合のLaytimeはどう計算すべきか。
到着時バースは直行できる状態にあったため、本件においてWIBON規定は適用とはならず、当該NORは無効だと思われる。ただし、その後実際に荷役が開始されていることから、荷役開始時点で当初TenderされたNORについて傭船者から無効と主張することはできなくなり、荷役開始時または猶予期間の約定があればその満了時からLaytimeのカウントが開始するものと考えられる。
事例(ID:217)
相談者:船主 閲覧者数:57、最終更新日2022/02/03
WIBON/WIPON規定のあるバースチャーターにおいて、本船がCJK Anchorageに到着時、目的港である上流の港一帯が混雑しているとして、傭船者から同地での待機を指示された。NORはCJK Anchorage到着時にTenderした。その後船混みが緩和し本船が河川を遡航中他船と接触事故を起こしてしまい、一時別のバースへ向かい緊急修理を行った後、当初の目的港内の指定バースへ向けて再度移動を再開、着岸し荷役を開始した。Laytimeの計算において、傭船者は元々のNORは無効であり荷役開始時点からLaytimeのカウントを開始させるべきだと主張しているが、この主張は妥当か。
妥当ではないと思われる。WIBON/WIPON規定があるため、CJK Anchorage到着時のNORは有効であり、猶予期間の満了からLaytimeはカウントを開始し、そこから、河川航行時間についてはいわゆるShifting timeといえるため、これを除外する規定があればLaytimeにはカウントせず、事故から修理にかかる時間も別途いわゆるOwner's Faultの法理からカウントせず、再度Shiftingを開始し着岸する時まで同様にShifting timeとしてカウントしない、といった計算になるものと思われる。