1-1-1 Cancelling Date
閲覧者数:690、最終更新日2021/12/23
本船がその日までに積荷役準備を完了しない場合には、傭船者に契約の解除権が付与される日のことを定めるものとされます。解除「権」であることから、傭船者は必ずしもそれを行使する義務を負うわけではなく、契約を解除せず本船の荷役準備完了を待つことも可能です(この場合、船主は依然として本船を約定の積地へと向かわせ迅速に荷役準備を完了すべき義務を負うとされます)。同様の理由から、本船がCancelling Dateに間に合わなかったことにより遅延損害等が発生したとしても、それをして直ちに傭船者が船主に対し損害賠償請求できるようになるわけではなく、また、そのことが直ちにLaytimeやDemurrageのカウントに関する条件に影響を与えるものでもないとされます。なお、傭船者は、船主と別途合意する場合を除きCancelling Dateの到来前に解除権を行使する義務を負うことは通常ありませんが、他方で、権利行使は当該期日到来後合理的な時間内(遅くとも本船の荷役準備が完了する前まで)になされるべきとされます。
事例(ID:127)
相談者:傭船者 閲覧者数:218、最終更新日2021/12/23
本船がCancelling Dateの一日後に積地に到着予定。契約解除に関し、船主に対してどのようなアクションを取ることができるのか。
現時点でできることは特には無いのではないか。実際にCancelling Dateを超えるに至っても本船が荷役準備を完了しない場合には、契約解除権を行使できるようになると思われる。
事例(ID:129)
相談者:船主 閲覧者数:167、最終更新日2021/12/23
本船はCancelling Dateまでに準備を終えられなかったが、傭船者は契約をキャンセルせず本船を使用した。後日Laytimeの精算に至り、傭船者からLaytimeを一切カウントしないという主張をされた。この主張は妥当か。
Canceling Dateに間に合わなかったこととLaytimeの計算条件は別の話であり、妥当ではないと思われる。
事例(ID:130)
相談者:傭船者 閲覧者数:127、最終更新日2021/12/23
本船がCancelling Dateに間に合わないことによる契約の解除権について、契約上特に通知の義務が規定されていなくても、船主に対し契約解除の旨を通知する必要があるのか。
あると考えて差支えないだろう。通知がなければ船主はその意思を知り得ず、沈黙していたのみでは権利放棄されたものと解釈される可能性がある。むしろ通知が無いままにNORがTenderされ、後から契約を解除する旨の意思表示をしたとする体では、いわゆる履行の拒絶による債務不履行として、逆に船主による損害賠償請求が認められる余地があると思われる。
事例(ID:131)
相談者:船主 閲覧者数:112、最終更新日2021/12/23
スケジュール上、本船の荷役準備完了がCancelling Dateに間に合わないことがほぼ確定的であり、傭船者も契約解除するだろう旨を示唆しているが、船主としてはどのようなアクションを取るべきか。
傭船者と別途合意をするのでない限り、依然として本船を(迅速に)積地に回航させるほかないと思われる。
事例(ID:132)
相談者:傭船者 閲覧者数:107、最終更新日2021/12/23
本船の予定が遅れ、二度もCancelling Dateの延長を合意したが、それでも新たなCancelling Dateに間に合いそうにない。傭船者として何ができるか。
本船が依然新たなCancelling Dateに間に合わなかったのであれば、NORがTenderされる前までであれば解除権を行使することができると思われる。さらに、船主の迅速航海義務違反が認められる場合には、別途損害賠償請求の途も考えられる。
事例(ID:133)
相談者:傭船者 閲覧者数:94、最終更新日2021/12/23
10月21日0時から同月31日24時までのLay/Canに対して、現時点での本船の積地ETAが同31日23時である。傭船契約上、Cancelling Dateに間に合わなかったことに伴う契約解除権の行使は遅くともNORのTenderまでに為されるべきで、かつ、NORのTenderはOffice Hours内にのみ可能であると規定されている。この場合、当社はいつ解除権を行使できることになるのか。
10月31日の24時以降11月1日Office Hours開始時刻前までの間に行使できることになると考えられる。本船到着時にNORはTenderされるだろうが、23時というのはおそらくOffice Hours内とはいえず、翌日のOffice Hours開始時にTenderされたものとみなされることとなる。その前にCancelling Dateである10月31日(24時)が到来するため、つまり11月1日0時以降Office Hours開始前までに行使できるものと思われる。
事例(ID:134)
相談者:傭船者 閲覧者数:69、最終更新日2021/12/23
ASBATANKVOYを用いた航海傭船契約において、傭船者がCancelling Dateの経過から24時間以内に契約の解除を宣言しない場合で、かつ積荷を準備できないとき、傭船者はどのような責任を負うことになるのか。
第5条より契約そのものは存続すると考えられるため、積荷を準備できないのであれば、傭船者は自己の負う貨物の提供義務に反することになると思われる。結果として、傭船者には船主に対する損害賠償としてのDead Freight等の支払い義務が生じる可能性があると思われる。
事例(ID:135)
相談者:船主 閲覧者数:86、最終更新日2021/12/23
本船はLay/Can初日に荷役準備を完了し、その後錨地において傭船者により貨物が準備されるのを待っていたが、輸出手続上の遅延のため貨物準備が遅れ、結局Cancelling Dateを大幅に過ぎるまで荷役は開始されなかった。この場合、Demurrageの請求ではなく、当社から契約を解除し、本船を別の商売へ投入することができたのか。
Cancelling Date超過に伴う契約解除権は傭船者側の権利であり、船主の権利ではない。Demurrageを規定していながら本船を勝手に出港させる等の対応をしていたのであれば、逆に契約履行の拒絶による債務不履行に当たっていた可能性がある。当該待機により生じた遅延時間は、原則として約定通りのLaytimeないしDemurrageのカウントに従った精算によって処理するほかないだろう。
事例(ID:136)
相談者:傭船者 閲覧者数:78、最終更新日2021/12/23
撤積穀物の輸送のための本船がCancelling Date終了1日前に積地に到着し、NORがTenderされた。その後本船はHold Inspectionを受験したが不合格となり、更なる船艙内の清掃作業が要求されたことで、NORが改めてTenderされる時間はCancelling Dateより後になる見込み。この場合、有効なNORがCancelling Date前にはTenderされていないとして、契約を解除することはできるのか。なお、傭船契約上、仮にHold Inspectionに不合格となった場合、不合格となった時から再合格した時までの時間につき、Laytimeのカウントを中断する旨を規定していた。
一般には、積荷の輸送に堪える船艙(の状況)というのも本船の準備完了状態の一要件と解釈できるから、Hold Inspectionによって船艙が穀物の輸送に適した状態にないことが証明されたとなれば、到着時にTenderされたNORは無効であり、よってCancelling Date超過時には、本船が再度検査に合格しNORがTenderされる前までに解除権を行使できることになるとも思える。しかし、検査に不合格となった際のLaytimeの取り扱いとして、再合格の時まで「Laytimeを『中断(既にLaytimeが開始されていることを前提とする表現』する」と規定されていることを踏まえると、検査への合格・不合格は「Ready to Load」の要件からは切り離した上で、あくまでもLaytimeのカウント方法を事後的に操作によって処理する旨の黙示的な意図が読み取れるといえる。よって、単にHold Inspectionに不合格となったからといって当初のNORが無効になるわけではなく、解除権が否定されるために、解除できなくなるものと思われる。