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一般社団法人日本海運集会所
海事仲裁委員会

調停規則

1992年3月30日制定
1992年7月1日施行
第1章 予備調査
第1条(調停の申立て)
(1) 紛争についての一部の当事者が、本規則による調停を一般社団法人日本海運集会所(以下、「集会所」という)に申し立てる場合には、別に定める書式による調停申立書に、別に定める予備調査費用を添えて、集会所に提出しなければならない。
(2) 紛争についての全部の当事者が、本規則による調停を集会所に申し立てる場合には、別に定める書式による調停合意書に、別に定める予備調査費用を添えて、集会所に提出しなければならない。
第2条(調停開始の可否の決定)
(1) 本規則第1条第1項による申立てが行われた場合には、集会所は、調停申立書に基づき、調停開始の可能性につき検討するほか、必要により、相手方当事者に対して調停に参加するよう勧奨し、その参加の意思の有無を確認のうえ、速やかに、そして遅くとも調停の申立ての日から21日以内に、調停の開始または不開始を決定し、調停を申し立てた当事者ならびに、必要により、相手方当事者に通知するものとする。
(2) 本規則第1条第2項による申立てが行われた場合には、集会所は、直ちに調停の開始を決定する。
(3) 当事者が納付した予備調査費用は、調停の開始の有無にかかわらず、返却せず、また調停費用に充当しない。
 
第2章 調停手続
第3条(調停手続の開始日)
調停手続は、集会所が当該案件について調停の開始を決定し、当事者に通知を発信した日に開始する。
第4条(調停人の数とその選任)
(1) 集会所が調停の開始を決定した場合に、当事者全員の合意により調停人として指名された者があるときは、集会所は、その者を調停人に選任するものとする。
(2) 集会所が調停の開始を決定した場合に、当事者全員の合意により調停人として指名された者がないときには、集会所は、調停手続の開始日から14日以内に、全当事者と協議の上、原則として1名、必要によっては、複数の調停人を選任するものとする。
(3) 前項の調停人(以下、場合により単独調停人、または複数の調停人を意味する)を選任するに当たり、集会所は独立した公正な調停人を確保することができるようにしなければならず、いずれかの当事者から要請があるときには、当事者の国籍以外の国籍を有する調停人を選任するよう配慮しなければならない。
(4) 調停人に欠員を生じた場合には、集会所が、全当事者と協議の上、必要な補充を行うものとする。
第5条(調停人の役割)
(1) 調停人は、独立した公正な立場において、当事者が紛争を友好的に解決しようと試みるに際し、これを援助する。
(2) 調停人は、客観的妥当性、公正および正義の原則を指針とするほか、特に当事者の権利義務、当事者間の従来の取引慣行を含む関係業界の慣習および紛争をめぐる事情について考慮を払わなければならない。
(3) 調停人は、その役割に基づく作為または不作為に関し一切責任を負わない。
第6条(集会所の役割)
(1) 調停手続を円滑に進めるために、集会所は、調停手続の運営につき調停人を補佐する。
(2) 集会所およびその関係者は、その役割に基づく作為または不作為に関し一切責任を負わない。
第7条(調停手続の非公開)
調停手続は非公開とする。当事者およびその関係者以外の者は、全当事者ならびに調停人の同意ある場合に限り、出席することができる。
第8条(調停手続の実施)
(1) 調停人が選任され次第、各当事者は、速やかに、集会所に紛争の内容および争点を簡潔に記載した主張書面(形式は自由)を提出するとともに、相手方当事者にその主張書面の写を送付しなければならない。
(2) 調停人は、各当事者に対し、その主張ならびにこれを支持する事実および理由を記載した主張書面およびこれを補充するために適当と認める書面その他の証拠をさらに提出するよう要請することができる。各当事者は、調停人に提出した主張書面およびこれを補充する書面その他の証拠の写を相手方当事者に送付しなければならない。
(3) 調停人は、事件の事情、当事者による口頭審理の請求を含む当事者の希望および紛争の迅速な解決の必要性を考慮に入れて、調停の場所を決定し、その適当と認める方法により、調停手続を行うことができる。
(4) 調停人は、紛争の解決に必要と判断したときは、その費用負担について全当事者の合意を条件として、鑑定人の意見を求めることができる。
(5) 調停人は、調停手続のいかなる段階においても、紛争解決のための提案をすることができる。この提案は、書面によることを要せず、またその理由をつけることも要しない。
(6) 本条第1項および第2項による書類の作成および相手方当事者への送付については、当事者の要請あるときは、集会所が当事者を援助し、その費用は当事者が負担するものとする。
第9条(調停人による当事者の意見の聴取)
調停人は、調停手続のいかなる段階においても、全当事者の同席する場所において、または各当事者個々に、当事者の意見を求めることができる。その場合に、調停人から要請のあるときは、当事者本人または当該紛争の解決につき決定権限のある者が出席しなければならない。
第10条(情報の当事者による提供とその開示)
(1) 調停人は、調停手続のいかなる段階においても、その適当と認める情報を提出するよう当事者に要請することができる。
(2) 調停人が一方の当事者から紛争に関する事実上の情報を受け取ったときは、他方の当事者にその情報の内容を開示して釈明の機会を与えなければならない。ただし、一方の当事者が、情報を他に開示しないことを特に条件として、調停人にその情報を提供したときは、調停人はこれを他方の当事者に開示しない。
第11条(紛争の解決のための当事者の提案)
各当事者は、任意にまたは調停人の要請により、調停人に紛争解決のための提案をすることができる。
第12条(当事者の調停人への協力)
当事者は、誠意をもって調停人に協力するとともに、特に調停人の要請ある場合には、関係書類および証拠を提出し、調停手続に出席しなければならない。
第13条(代理・補佐)
(1) 当事者は、自己の選任する者に代理または補佐をさせることができる。代理人または補佐人の氏名および住所は、書面により、他方の当事者および調停人に通知しなければならない。その通知には、代理人または補佐人のいずれであるかを明記するものとする。
(2) 前項の通知については、当事者の要請あるときは、集会所が当事者を援助し、その費用は当事者が負担するものとする。
第14条(和解合意書)
(1) 調停人は、全当事者が和解を受け入れる余地があると認めたときは、和解の条件を作成し、当事者にこれを提示してその意見を求めることができる。調停人は、当事者の意見を聞いた後、その意見を考慮して和解の条件を修正することができる。
(2) 当事者が紛争について和解の合意に達したときは、調停人は和解合意書を作成するものとする。和解合意書には、全当事者が署名するほか、調停人も署名捺印するものとする。
(3) 和解合意書には、この和解合意書から生じるまたはこれに関連する紛争を(東京/神戸)における集会所の仲裁規則による仲裁に付託するとの仲裁条項を入れるものとする。
第15条(調停手続の終了)
調停手続は、次の日にそれぞれ終了する。
(イ) 全当事者が和解合意書に署名したときは、その合意書の日付
(ロ) 調停人が当事者と協議した後、これ以上の調停の努力はもはや無用であることを書面により表明したときは、その表明書の日付
(ハ) 全当事者が調停人に対し、調停手続が終了したことを書面により通告したときは、その通告書の日付
(ニ) 一方の当事者が他方の当事者および調停人に対し、調停手続の打切りを通告したときは、その通告書の日付
(ホ) 第16条第1項または第18条第3項の規定により、調停人が調停手続を終了させた日
(ヘ) 当事者の一部または全部が調停人の指示に従わないなどの理由により、調停人が調停手続を継続できないと書面により表明したときは、その表明書の日付
第16条(調停から仲裁への変更)
(1) 紛争について和解の合意に達した全当事者が、紛争の解決を確実なものとするために、仲裁判断を作成することに同意する場合には、調停人は、直ちに調停手続を終了させるものとする。
(2) 前項の場合に、当事者は、別に規定する書式による仲裁契約に署名捺印し、調停人を仲裁人として選任しなければならない。
(3) 仲裁人は、選任後直ちに仲裁手続を開始し、全当事者の和解の合意の内容に従い仲裁判断書を作成するものとする。
 
第3章 費用
第17条(調停費用)
(1) 調停費用とは、イ)調停人の謝礼、ロ)集会所の当該調停事件に要する管理費用、ハ)調停人の旅費、日当、ニ)鑑定に要する費用、ホ)翻訳料、ヘ)その他特に要する費用をいう。上記費用のうち、イ)およびロ)については別表に定め、また ハ)ないし ヘ)については集会所が必要のつど定める。
(2) 調停人は、調停手続が終了したときは、調停に要した費用を定め、当事者に書面によりこれを通知する。
(3) 前項に定めた費用は、和解合意書が別段の割当てをしない限り、当事者が平等に負担する。各当事者が要したその他の費用はすべて、当該当事者が負担する。
第18条(予納)
(1) 調停人は、選任され次第、第17条にいう費用で、調停人が必要と認めるものについて、各当事者に対し負担相当額を均等に前金として予納するよう要求することができる。
(2) 調停人は、調停手続中に、各当事者が負担する均等額の予納を追加するよう要求することができる。
(3) 本条の第1項および第2項により要求される予納金が、30日以内に全当事者により全額支払われないときは、調停人は、手続を停止するか、または手続終了の通告を書面により当事者にすることができる。後者の場合には、その通知書の日付をもって調停手続を終了する。
(4) 集会所は、調停手続が終了したときは、受領した予納金を精算し、残金を当事者に返済するものとする。
 
第4章 補則
第19条(仲裁手続または司法手続の禁止)
当事者は、調停手続中、その手続の対象である紛争に関して、仲裁手続(本規則第16条による仲裁手続の場合を除く)または司法手続を開始してはならない。ただし、時効の中断など一方の当事者がその権利を守るために必要であると認めたときは、その当事者は仲裁手続、司法手続またはその他の法的手段をとることができる。
第20条(秘密の保持)
調停人、当事者および集会所は、調停内容の履行と執行のため必要な場合を除き、調停手続および和解合意書に関する事項をすべて秘密としなければならない。
第21条(調停人等の他の手続への関与)
(1) 調停人は、調停手続の対象である紛争に関する仲裁手続(本規則第16条による仲裁手続の場合を除く)または司法手続において、仲裁人または一方の当事者の代理人となってはならない。
(2) 当事者は、調停人または当該調停手続に関与した集会所関係者を前記手続の証人としてはならない。
第22条(他の手続における主張・証拠の許容性)
当事者は、仲裁手続(本規則第16条による仲裁手続の場合を除く)または司法手続が調停手続の対象である紛争に関すると否とを問わず、その手続において、次の事項を主張の根拠としないことおよび証拠として提出しないことに合意する。
(イ) 紛争の解決のために、他方の当事者が表明した意見または示唆した提案
(ロ) 調停手続中に、他方の当事者が認めた事項
(ハ) 調停人が行った提案
(ニ) 他方の当事者が、調停人が提案した解決案を受け入れる意思を示したという事実
 
予備調査費用と調停費用
1)予備調査費用
係争金額に関係なく一律 8万円
調停を集会所に申し立てるときに、申立人は上記の金額を支払うものとする。ただし、本費用は、申し立てられた調停事件1件あたりに係るものとし、申立人の数には無関係とする。
2)調停費用
調停規則第17条第1項によって、イ)調停人の謝礼、ロ)集会所の当該調停事件に要する管理費用、に当てるため、全当事者において一括して納付すべき金額を次のように定める。
〔調停人が1人制の場合〕
係争金額が1,000万円未満の場合、係争金額の4%に当たる額、ただし、最低額を12万円とする
係争金額が1,000万円以上5,000万円未満の場合、40万円に、係争金額から1,000万円を控除した額の1%を加えた額
係争金額が5,000万円以上1億円未満の場合、80万円に、係争金額から5,000万円を控除した額の0.5%を加えた額
係争金額が、1億円以上の場合、105万円に、係争金額から1億円を控除した額の0.25%を加えた額
〔調停人が2人またはそれ以上の場合〕
上記調停人1人制の金額に、1人増す毎に、その50%を加えた額

(1) 調停申立時に係争金額が明示できないときは、調停費用は類似例を参考にして調停人と集会所が協議決定する。ただし、係争金額が判明したときは、調停手続中である場合に限り、上記基準によるものとし、集会所が既に受け取った金員と精算する。
(2) 予備調査費用・上記調停費用は、消費税相当額を各金員に加算して納付しなければならない。