1-3-4 Commencement of Loading/Discharging
閲覧者数:242、最終更新日2022/01/12
Laytimeとは荷役のために傭船者に与えられた時間であることから、原則として傭船者はLaytimeのカウント無しに荷役作業を行うことはできません。したがって、特段の規定が無ければ、例えばLay/Can初日より前に荷役が開始されたとしても、荷役が開始された以上その時点(ただし、Turn Time満了後)からLaytimeのカウントが開始するとされます。また、規定次第では、定められた本来のLaytimeのカウント時点以前の荷役開始に伴っても、Laytimeのカウント開始あるいは荷役に用いられた時間の加算が認められる場合があります。
事例(ID:5553)
相談者:船主 閲覧者数:37、最終更新日2022/01/12
GENCON(1994年版)を用いた航海傭船契約において、Laytimeが開始されるべき時より前に荷役が開始されたが、作業開始後しばらくして陸側の荷役設備が故障し作業が一時中断された。この中断時間はLaytimeとしてカウントできるのか。なお、故障が発生したのは、未だ本来のLaytimeの開始時刻よりも前のことであった。
できないと考えられる。GENCONの規定の解釈上、あくまで実作業時間を「加算」するといった趣旨であると思われること及び依然としてLaytimeは「開始」されているわけではないことから、本来Laytimeが開始されるべき時に至るまでは、実際に荷役が進行した時間のみを加算するものと考えるべきではないか。
事例(ID:5554)
相談者:傭船者 閲覧者数:29、最終更新日2022/01/12
GENCON(1994年版)をベースとする航海傭船契約において、Lay/Can前日の午前8時にNORがTenderされたが、同日午後5時からの荷役を依頼したため、本船は同時刻から荷役を開始した。この事実及び規定の解釈上あくまでもLay/Can初日からのみLaytimeのカウントが開始されるものと思っていたが、船主より、同午後5時からのLaytimeの開始を主張された。この主張は妥当か。なお、NORのTender日もLay/Can初日も通常の営業日であり、NORのTender条件に合致していなかった等の事実は無い。
GENCONの規定上、Laytimeのカウントが開始されるまではあくまで荷役に供された時間のみが加算されることになるが、Lay/Can前に荷役を開始するよう指示を受けたことでLay/Canの制約は解除され、Turn Timeは既に満了しているので、傭船者が依頼して荷役を開始した午後5時からLaytimeはカウントを開始したといえるのではないか。
事例(ID:5555)
相談者:船主 閲覧者数:22、最終更新日2022/01/12
積地のETA 7日前までに本船をNominateしなければならないとする航海傭船契約において、実際には本船が積地に到着する直前にNominationを行うこととなってしまったものの、特に受入に際し傭船者からクレームはなく、また本船は遅滞なく着岸し荷役が開始された。しかし、その後傭船者より、実際のNominationから7日が経過しなければNORは有効とはならず、本件ではLaytimeは開始し得ないと主張されている。この主張は妥当か。
妥当ではないと思われる。実際に荷役が開始している以上NORが無効であるとは主張できないと考えられるため、Turn Time等の規定がある場合はそれも考慮した上で、原則としてその時点からLaytimeは開始され得ると考えられる。また、詳細な契約文言の検討は必要であるものの、一般に本船のNominationに関する規定が、当然にNORのTenderやLaytimeの計算方法に関する規定に影響を及ぼすとはいい切れず、その点からも主張には妥当性が見出しにくい。なお、7日前までにNominateされていた場合との比較においてNominationが遅れたことで傭船者に何らかの損害が生じていたことが立証されたならば、その点における損害賠償が認められる可能性があると思われる。