1-4-1-1 Weather Working Day
閲覧者数:765、最終更新日2022/01/12
「天候作業日」と訳されることが多く、「当該港内の特定の荷役場所において、(同種同類の船型・貨物であれば)荷役が遂行されていたであろう天候であった日をLaytimeの定義とする」旨の規定だとされます。そのような意味において、事実上荷役を中断させるような悪天候であった日(つまりWeather Working Dayだとはいえない日)が存在した場合には、そのような日は契約上のLaytimeの定義から外れるために、Laytimeとしてはカウントされないこととなります。また、1-4-1-2 Weather Working Day of 24 Consecutive Hoursとの比較において、本条件は当該作業日中の通常の作業時間帯(例えば、通常ステベドアが午前8時から午後4時まで荷役作業に従事する、等)を1単位日と定義付けるため、それ以外の時間帯において上記のような悪天候があったとしても、Laytimeの計算には影響しないこととなります。実務上、多くは「WWD」と略されて規定・呼称されます。
事例(ID:5569)
相談者:傭船者 閲覧者数:152、最終更新日2022/01/12
本船は前船の荷役完了及び離岸・出港を待つため、錨地で待機していた。船主によるLaytimeの計算書を見たところ、本船の待機時間は全てLaytimeとしてカウントされていたが、当時前船の荷役において豪雨のため作業が一時中断していたと聞いており、その時間帯に限ってはWWD条件から考えるとカウントが軽減されるものと考えている。しかし船主は、この計算は本船のためのLaytimeの計算であって他船の状況は関係ないとして、待機時間全てをカウントするのが正しいと解釈している模様。どちらの理解が正しいのか。なお、前船は本船と同じような船型であり、かつ全く同じ種類の貨物の荷役に従事しており、豪雨当時の雨量では貨物への濡損が生じる可能性が高く、損傷回避のため荷役が中断される運びとなった模様。
傭船者に理があるものと思われる。WWD条件の判断の基礎となるべきは当時の本船の居場所ではなく特定の荷役場所であり、それを前提に当該荷役場所での当時の天候が、同種同様の船型や貨物に関する荷役を可能たらしめるものであったか否かを考慮する必要がある。本件では前船は本船と同様の船型であり、かつ同様の貨物の荷役にあたっていたことから、仮に前船ではなく本船が当該時間帯に荷役をしていたとしても、当時の豪雨では荷役が中断されていたことが限りなく明らかであり、いかに本船が実際には錨地で待機していたといえども、当該時間帯はWWD条件に合致せずLaytime定義からは外れるため、カウントされないと解釈するのが妥当ではないか。なお、前船の作業において荷役が実際に中断された時間等具体的な情報に関しては傭船者の方から提供・証明する必要があるだろう。
事例(ID:5570)
相談者:傭船者 閲覧者数:152、最終更新日2022/01/12
悪天候によってパイロットが乗船できず着岸できなかったために本船に発生した遅延は、WWD条件を理由に除外されるか。
WWD条件では、特定の荷役場所において同様の貨物の荷役が可能な天候であったか否かを検討する必要があるため、パイロットが乗船できなかったことから直ちにWWD条件に合致するか否かを判断することはできない。
事例(ID:5571)
相談者:船主 閲覧者数:171、最終更新日2022/01/12
Weather(天候)とは何を指すのか。例えば、うねりや高浪によって荷役が中断した場合、WWDといえるのか。
Weatherとは「大気」に関する現象一般を指すものとされる。したがって、うねりや高浪といえども、例えば地殻変動や潮汐に起因したものであるといえる場合にはWWD条件の対象外となり、仮にそれによって荷役が中断したとしてもLaytimeのカウントには影響しないと考えられる。逆に、例えば低気圧の通過に起因したうねりや高浪であれば、Weatherの範疇に入る余地があるといえる。
事例(ID:5572)
相談者:船主 閲覧者数:110、最終更新日2022/01/12
爆弾低気圧の通過に伴い、付近一帯にいる寄港船に対する強制的な離岸・退避命令が当局より発令された。これに伴い、当社運航船についても荷役が一時中断され、一旦離岸の上数日間港外の海域で待機し、再度入港の上再着岸・荷役再開した。これに関し、傭船者からは荷役中断から荷役再開までの間Laytimeはカウントするべきではない旨主張されているのだが、確かに本船の安全を考えれば退避行動は当社にとっても妥当なことであったとはいえ、命令を出したのは傭船者が指定した港湾の管理者であり、また、退避することが無ければ再着岸作業も発生しなかった点からカウントできない時間の短縮も可能だったかもしれない点を考えると、荷役中断から再開に至るまで丸々とLaytimeがカウントできないとされるのはいささかアンフェアではないかと思うのだが、どう考えるべきなのか。なお、契約は、WWD条件。
確かに強制的な離岸命令をどう理解すべきか、あるいはともすると港湾の安全性・非安全性といった議論も展開され得るところではあるが、そのあたりの議論に関わらず、そもそもWWD条件であり、仮に着岸し続けていたとしてもこの様な悪天候では結局のところ荷役はできなかったであろうといえる点からして、Laytimeの計算上、カウントしないとする解釈は妥当であろうと思われる。ただし、命令が解除された時点で本船が着岸していれば荷役はできたであろうため、その時点からLaytimeのカウントは再開することになるであろう。
事例(ID:5573)
相談者:傭船者 閲覧者数:118、最終更新日2022/01/12
WWD条件における具体的な計算方法を教えて欲しい。
■荷役:通常は月~土、各々8時から16時までステベドア業者が作業
■条件:WWDSHEXEIU
■事実:月曜日8時に荷役開始し、以後基本的には通常通りの作業継続。
    しかし、土曜日中には完了しきれず、翌日日曜日午前も特別に作業し、12時に荷役完了。
    (※Laytimeは月曜日8時からのカウント開始とする)
■遅延:
(1)水曜日に、10時から13時まで悪天候によって荷役作業が中断。
(2)同じく水曜日に、19時から20時まで荷役作業時間内であれば作業が中断されていただろう程度の悪天候が発生。
(その他特にカウントを妨げる事実は無かった)
◆水曜日以外の日については、月曜日から日曜日まで荷役が行われていたところ、日曜日は荷役が行われたとしてもLaytimeはカウントされないので、合計5日カウントできる。
◆水曜日について、荷役作業の中断が発生しており、検討が必要。まず、当該荷役においては1作業日における作業時間が8時から16時までの8時間であり、この8時間をLaytimeとしての1単位日と数えることとなる。その上で、(1)の中断(計3時間)は、その比率から、24時間中の9時間の中断に相当することとなる(8:24=3:9)。したがって、水曜日に限っては、15時間(24時間-9時間)=0.625日分がLaytimeとしてカウントされることとなる。また、(2)については、8時から16時までの荷役作業時間外の悪天候のことであり、Weather Working Day条件においてLaytimeの計算に考慮されることはない。
◆以上を合計し、5.0625日が当該寄港でのLaytimeの合計であろうと考えられる。