2-1-2 Breach of Contract
閲覧者数:160、最終更新日2023/03/28
Off hire clauseが特約であるということから、基本的には規定された条件が成就しているか否かがOff hireの成否を分かつだけであって、原則として船主側の義務違反の有無はOff hireの成否には直接的には関係ありません。例えば、一般的な定期傭船契約上、傭船期間中船主は本船を保守・管理すべき義務(いわゆるメンテナンス義務)を負いますが、この義務に違反したからこそOff hireが成立する、あるいは当該義務違反がなければOff hireは成立しないといった議論・見解は原則として妥当しません。しかし、逆に傭船者の責に帰す事由によってOff hire条件が成立する場合には、そもそもOff hireの主張が認められないか、またはその後の船主からの損害賠償請求や損失補償請求(「逆」クレーム)の認容によって一旦はOff hireが成立した当該部分が実質的には帳消しとなるかのいずれかの処理がなされるとされます。
事例(ID:12263)
相談者:船主 閲覧者数:34、最終更新日2023/03/28
鋼材の揚荷役に際して、貨物の錆損が発見されたことに端を発し、B/L上の荷受人により本船がアレストされた。傭船契約上アレスト発生時は無条件にOff hireとなる旨がRider条項に規定されていたため、本船がリリースされるまでにかかった約30日間はOff hireとなってしまうだろうが、このような条項がある限り、結論は覆らないのであろうか。(使用書式:NYPE 46)
当該Rider条項の解釈上、当該約30日は無条件にOff hireとなると思われる。ただし、当該契約書式第8条に規定する船荷証券の署名に対して傭船者による補償も黙示されているので、場合によっては事後的にOff hireとして喪失した傭船料相当の金銭が傭船者から償還され得る可能性はある。
事例(ID:12264)
相談者:船主 閲覧者数:45、最終更新日2023/03/28
機関が一部故障したまま本船は航行中だが、航行や荷役には直接関係のない箇所の故障であり、クルーによって現状維持の応急策は行っている。しかしそのことを聞きつけた傭船者が「即刻入渠して修理し、かつそれにかかる時間は契約に基づきOff hireとすべきだ」と主張している。現時点で本船は次港まであと約2日の地点を航行中だが、既に次港到着後の船上での修理作業にかかる諸々を手配済みである。今からでも傭船者の言い分に従わなければならないか。(使用書式:SHELLTIME 4)
確かに故障は発生しているものの、現状航行に問題はなさそうで、既に修理作業も手配済みとなればメンテナンス義務違反等も認められることはないと思われる。そもそもメンテナンスは船主の専任事項であって傭船者が細かな計画にまで指示を出すことができるとは言い難い。また、Off hireに関しても、例えば保証スピードや燃料消費にも影響がなく航行上問題がない限りは効率的な稼働が阻害されているともいえない点等から、本件では成立しないのではないか。