2-1-3 Claim for Damages
閲覧者数:144、最終更新日2023/03/28
Off hireの成否はあくまでその規定の内容に基づき判断されるべきものですが、場合によっては、傭船者による、船主の義務違反(債務不履行)によって生じた遅延に対する損害賠償請求と、Off hire成立の主張とが並立することもあり得ます。したがって、例えば何らかの免責条項の発動や解釈上債務不履行の事実が認められなかった等の理由から自身が免責されるために、傭船者からの損害賠償請求を否定できる場合であったとしても、船主はOff hireの成立をも当然に否定できるわけではないとされます。Off hireの成否はあくまでも規定の内容次第であり、傭船者による船主の債務不履行に基づく損害賠償請求が成功しなかったからといって、Off hireの主張も当然に失敗に終わるとは限らないからです。もっとも、例えば同じ遅延等に関する訴えにおいて上記二つの主張が重複して認容されることはないとされます。
事例(ID:12271)
相談者:船主 閲覧者数:53、最終更新日2023/03/28
パイロットが乗船した際、突発的にジャイロコンパスが故障し航行できない状態となったことで、本船は傭船者の指示どおりに錨地に到達した上でNORをTenderすることができなかった。傭船者はその先の航海傭船契約上でのDemurrageに関する規定に基づき、本件遅延によって本来的に得られただろうDemurrage額が目減りしたことをして、損害賠償請求とOff hire請求を申し立ててきた。どう考えるべきか。(使用書式:NYPE46)
損害賠償請求に関しては定期傭船契約上のいずれの義務に違反するものかを立証してもらうことだろうが、メンテナンス義務等の違反はないようなので、否定されるのではないか。他方、Off hireに関しては、コンパスの故障が何らかの義務違反によって生じたものであるか否かに関わらず、これによって航行が止まった時間については、NYPEの規定上Off hireが成立するものと思われる。したがって、損害賠償請求は認められないであろうが、Off hire自体は成立する可能性がある。
事例(ID:12272)
相談者:船主 閲覧者数:41、最終更新日2023/03/28
本船が錨泊を終え岸壁に移動しようと揚錨した際、悪天候(突風)のため2本のアンカーが絡まり、それを解く作業に半日かかってしまった。特に本船や船主に過失はなく、明らかな天候事由であったことから船主は免責されるものと思っているが、傭船者はOff hireの成立を主張し続けている。免責されるにも関わらず、Off hireが成立するというのか。(使用書式:NYPE 93)
船主が、例えば第21条や第31条に基づいて免責されるかどうかの議論はさておき、仮に免責されたとしても、基本的にそのことはOff hire条項には影響はなく、あくまで規定された条件が成就するのであればOff hireは成立し得るため、本件でもそうなる可能性がある。