3-2-4 Clean B/L
閲覧者数:81、最終更新日2024/03/08
Clean B/Lの対義語としてClaused B/Lというものがあります。このClausingとは、署名のために提示された船荷証券のドラフトに記載された運送品の記述に対して船長やその代理人が正確な文言(リマーク)を追記する行為です。したがってClean B/Lとは、そうしたリマークの付されない船荷証券のことを指すことになります。1900年代半ばには、運送品の売買において銀行が関与する場合、荷送人である売主にはClean B/Lの提出が求められ、その際運送品の状態について、荷送人としては騙すつもりもなく、当該運送品に何ら問題のないものであると認識していても、荷送人と運送人との間で見解に相違の生じる場合があり、そうした場合に運送人はEstoppel(禁反言)により損害賠償義務を免れられない可能性があることから、荷送人のLOIと引き換えにClausingせずにClean B/Lを発行することが慣習的に行われるようになっていきました。現在の信用状取引におけるL/Cの開設条件においてもClean B/Lの提出が求められますが、信用状統一規則(UCP 600)第27条では「The word “clean” need not appear on a transport document, even if a credit has a requirement for that transport document to be “clean on board”」と規定し、船荷証券への「Clean on board」の記載は求めていないことを明らかにしています。それにもかかわらず、荷送人はしばしば船荷証券中に「Clean on Board」と記載することを求めることがありますが、運送人となる者にとってこれを避けた方がよいと言われるのは、その記載が船荷証券中に規定されているUnknown Clause(不知約款)の効力さえも否定してしまうおそれがあるためです。
事例(ID:22279)
相談者:船主 閲覧者数:34、最終更新日2024/03/08
長期傭船している本船に関して、しばしば傭船者から提示される船荷証券のドラフトには「Clean on board」と記載がされていることがある。そのまま署名すると、後で何か問題となるのか。
船荷証券への署名に際して、外観上の状態について合理的な判断をするのは船長の職務であり、運送人が荷受人に損害賠償をすることになったとしても、署名のために提示された船荷証券のドラフトに「外観上良好(in apparent good order and condition)」や「Clean on board」との記載があったことを理由として荷送人にその補償を求めることはできない。船長が見て外観上問題ないと思える場合にのみClean on boardとの記載を認めるべきではないか。
事例(ID:22280)
相談者:船主 閲覧者数:33、最終更新日2024/03/08
Mate’s receiptにリマークがある場合でも、LOIを貰えばClean B/Lを交付しても問題ないか。
明らかにリマークを付すべき船荷証券においてこれをしない場合、たとえLOIを取得していたとしてもその効力を否定され、誰にも補償を求めることができないことになる可能性があるため、慎重に検討すべきである。
事例(ID:22281)
相談者:船主 閲覧者数:27、最終更新日2024/03/12
鉄鋼製品の輸送において、錆はあるものの英法準拠のClean B/Lへの署名を求められた。いわゆる錆約款(Retla clause:鋼材等の輸送の場合に、B/Lの表面にある外観上良好な旨の記載は錆や湿気が全く無いということを意味するものではなく、もし荷送人の要求があれば、そのような文言を削除して事実に基づき錆や湿気について記載した船荷証券を別途発行する旨に定めた規定)があるので問題ないと思われるが、どうか。
いわゆる錆約款(Retla clause)は、以前米国で有効とされたが、その後高等法院においては外観に関するものであるとして英法上その効力を大幅に制限して解釈された。明らかに分かる錆についてはリマークを付し、品質上問題ない錆であるということであればLOIで対応してはどうか。