2-4-3 Deviation/Put back
閲覧者数:113、最終更新日2023/03/28
例えば、一般にはNet loss of time型の規定とされるNYPE書式であっても、年版によってはDeviation(離路)に関する遅延等に関してのみ、Period Loss of Time型の計算方法が印刷条項に規定されていますし(ASBATIME以降)、またそのような趣旨の印刷条項が無かったNYPE 46をベースとした契約でも、Rider条項によって同様の趣旨を規定することがあります(いわゆるPut back clause等)。このような規定がある場合で、傭船者の指示に背く形で本船が離路(引き返すことも含む)したときは、離路が始まった時から本船が再び同じ地点に戻った時、または目的地から見て離路開始地点と同距離の地点に本船が再び位置する時までOff hireが成立することとなります(ただし、条件や計算方法等詳細は条項によって異なるため、要確認のこと)。
事例(ID:17665)
相談者:傭船者 閲覧者数:29、最終更新日2023/03/28
台風の通過に伴い一時的に作業が中断された。その際、強風の影響によって陸上クレーンのブームが本船のレーダーマストにぶつかり、マストが折れてしまった。その後本船はそのまま付近のドックへ移動、一週間の修繕作業を経て再度同じ岸壁へと戻り、荷役を再開した。Off hireの精算について、どのような計算になるのか。なお、Rider条項において、NYPE 93に用いられているいわゆるPut back clauseをそっくりそのまま規定している。また、本件事故は、強風のみならず荷役業者側による陸上クレーン上のストッパーのかけ忘れに伴うブームの動揺にも原因があるものとされた。(使用書式:NYPE 46)
Rider条項に従い、離岸し、修繕を経て元の岸壁に戻ってきた時点までOff hireであろう。ただし、船主は、契約上の荷役責任に基づく傭船者に対する損害賠償請求や、不法行為に基づく荷役業者に対する損害賠償請求等によって、修繕費用や逸失した傭船料収入の回復を図ることになるのではなかろうか。
事例(ID:17666)
相談者:傭船者 閲覧者数:34、最終更新日2023/03/28
バンコクからジャカルタへの航海において、途中で故障した機器の修理のため、本船はシンガポールへ離路した。Off hireの計算について、船主は、離路の開始から修理が完了しシンガポールを出港した時点までがOff hireであると主張している。バンコク出港からジャカルタ到着までの間に実際にかかった全ての時間から、本来であればバンコクからジャカルタまで理論的にかかっただろう航行時間を引くという計算になるべきなのに、何故船主はそのような計算をするのだろうか。(使用書式:SHELLTIME 4)
本件は、おそらく第21条(c)項が適用となる事例であり、「実績マイナス理論値」というNet計算にはならないのではないか。そこでは、本件のような離路においては、離路開始から傭船者にとって不利にならない地点に本船が戻ってくる時までをOff hireにすると規定している(Period計算)。本件では、いわゆる南北航路であることを考慮した上で、もし本船の離路が未だシンガポール以南に至らない地点で始まっていたのであれば、シンガポール(出港)という地点は地理上傭船者にとって不利とはいえない場所であるから、船主もそのように計算したのではないか。逆に、シンガポール以南に至ってなおシンガポールに引き返し始めたというケースであれば、傭船者に不利にならないという地点というのは、本船が引き返し始めた地点だったはずであり、Off hireの終了地点もそこまで伸びていたものと思われる。