1-5 Demurrage
閲覧者数:341、最終更新日2022/09/12
許容されたLaytime期間内に荷役を終了させることができなかった場合や本船を(不当に)差し止めた(Detain)場合、傭船者はその遅延や拘束により本船を利用できなくなった船主の損害に対して責任を負うこととなります。本来、それらは損害賠償として船主が実損額を立証して請求すべきものですが、Penalty的要素を含まない範囲で損害賠償額を事前に合意しておくこと(損害賠償額の予定)も許されます。多くは、(A)1日当たりの損害レート ✕ (B)許容Laytimeから超過した分の日数の計算によって損害額を算出するものとされ、計算結果それ自体あるいは(A)のことをDemurrageと呼ぶのが一般的です。
事例(ID:5648)
相談者:傭船者 閲覧者数:52、最終更新日2023/05/10
船混みのため本船が錨地で待機している間に、Demurrageが発生した。その後約定された1日当たりのDemurrageレートを用いて精算するという段階に至ったところ、船主より、長期間錨泊したことで発生した貨物損害分について荷受人から損害賠償請求を受け、船主からこれについても求償すると言われた。Demurrage請求に追加された、この求償請求は妥当なのか。
許容されたLaytime期間内に荷役を終了させることができなかった場合、これに対する損害賠償はDemurrageレートを約定していればそれが全てであり、それ以上の損害賠償を求めるためには船主は他の義務違反を立証する必要があり、この原則は長い間確立されてきた。近年(2020年9月)、Demurrageレートによってカバーされる損害は、本船を約定の期間以上に拘束し、その利用を妨げたことに対する損害を想定しているだけで、別の損害、例えばその間に貨物が劣化して荷受人からクレームを受け、これを賠償したために生じた船主の損害は、Demurrageで予定した損害とは別の損害として傭船者に請求できるとした高等法院の判決が出されが、控訴院で同結論は否定され、その後当事者間で和解が成立したため、同様な事件が最高裁で争われ、異なる結果が出ない限り、従来の原則が維持されることとなった。よって同請求は当面認められないであろう。