2-5-4 About/WOG
閲覧者数:45、最終更新日2023/03/28
定期傭船契約上、本船の全長やトン数等の定量情報(いわゆる「スペック」)と並び、速力や燃料消費量が保証または参考情報として記載されることが実務では一般的です。他方で、そのような速力・燃料消費量について、確実、かつ確定した数字を記載することは、船舶という物の一般的性質から事実上不可能であることもあり、おおよその数値である旨を示すために「About」または船主として保証しないとする旨を示すために「WOG/Without Guarantee」との文言が併記されることがしばしば見うけられます。前者によれば、当該数値に対してある程度のマージンが与えられ、後者によれば、何らの保証もされなかったものとみなされるといった効果が認められます。しかし、マージンといっても定期傭船契約上一律の範囲が認められるわけではなく、また保証はないとしても、最低限「誠実な見積もりによるべき」とも示唆されるところです。
事例(ID:19958)
相談者:船主 閲覧者数:19、最終更新日2023/03/28
本船の速力が低下している模様で、傭船者からスピードクレームを受けている。契約上、本船の速力(及び燃料消費量)については「About」としているが、彼らの主張によれば、本船速力が0.5knot以上落ちており、このような場合には「About」という言葉の範疇を超え、船主の責任となるらしい。しかし、「About」に加え「WOG」という文言も付けており、「保証はしていない」ことになっているので、結局船主に責任はないと思うのだが、傭船者の主張は正しいのか。(使用書式:NYPE 46)
「About」の意義について、例えば速力低下に関しては「0.5knot以上」、燃料消費量増加に関しては「5%以上」等といった値が実務的にはある程度用いられているようではあり、傭船者の主張も一理あるかもしれない。しかし、法的に一定に認められる範囲があるわけではなく、あくまで「一定のマージンが認められる」との趣旨の域を出ない。また、「WOG」の意義について、確かに保証はされていないとする意味は認められるものの、誠実な見積もりに基づくものであることは依然要求されるとされるため、このフレーズさえあれば船主にとって完全にリスクフリーとは言い難い。まずは、いかなる根拠に基づく請求なのか(契約違反に基づく損害賠償請求なのかOff hireの主張なのか)を確認してみてはどうか。