2-2-2 Preventing ‘full working’ of the vessel
閲覧者数:189、最終更新日2023/03/28
NYPE書式に見られる条件で、「本船の『完全な稼働』が阻害された」ことを、Off hire成立の条件とするものです。その当時求められるサービスが遂行できない場合には、Off hireが成立する余地があるということになります。「本船が『完全に稼働を阻害されたかどうか』」を問う趣旨ではないため、例えば「本船が全活動を完全に停止しいわゆるDead Ship状態のような状況に陥らない限りOff hireは成立しない」といった解釈は誤りです。むしろ、本船の船舶としての能力や性能全体から見てある一部分の稼働だけが阻害されているに過ぎない場合であっても、それがその時求められる傭船サービス遂行の阻害に当たるのであれば、例えばその他の本船機能に何ら問題がなくとも、「本船の完全な稼働の阻害」が認められることになります。
事例(ID:13525)
相談者:傭船者 閲覧者数:57、最終更新日2023/03/28
本船のハッチカバーの水密性が保たれておらず、貨物(穀物)に対し海水による濡れ損が発生した。それに伴って一部貨物が貨物同士で、あるいはホールドの隔壁に固着した。荷役自体は可能な状態であったが、固着してしまった貨物の処理のため荷役作業全体のスピードは落ちざるを得ず、結果として荷揚の時間が当初の想定より大幅に延長した。このような時間は全てOff hireだと思うのだが、どう解釈すべきか。(使用書式:NYPE 46)
荷役スピードが落ちていたとはいえ、本船自体は依然として変わりなく荷役を遂行できる(物理的)状態にあったと思われるので、完全な稼働の阻害は認められず、Off hireも成立しないのではないか。ただし、ハッチカバーの水密性に関して、場合によっては船主の堪航性に関する注意義務違反やメンテナンス義務違反に基づく損害賠償請求が認容される可能性自体は残るものと思われる。
事例(ID:13526)
相談者:船主 閲覧者数:64、最終更新日2023/03/28
ロシアの某港に寄港した際、滞船のため本船は錨地で数日間待機した。その後着岸しようとしたところ、揚錨機が凍結して錨が巻き上がらず、すぐに着岸できなかったことで後船が先に荷役することになり、その間本船は修理(解氷)作業に入った。「稼働の阻害」という意味について、修理中の時間は結局後船が荷役をしていたのだから、その時の傭船者の指示としては「修理継続の上待機せよ」であるはずであり、そう考えると、例えば後船が荷役を完了し出港する前までに本船の修理が完了していたとするならば、一切Off hireが成立しないと思われるが、そのような考え方は正しいか。(使用書式:NYPE 46)
解釈に無理があるのではないか。理屈上確かにそのような解釈も不可能ではないかもしれないが、実質的な傭船者の指示としては、むしろ「(早急に改善し)着岸し荷役せよ」の意思が継続していたと考える方が自然ではないか。ただし本件では、そもそも凍結が生じた原因が、傭船者の(おそらく気温の低い)当該港への配船や待機指示に起因する可能性があり、Off hireの成立自体も検討を要するものと思われる。