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【住田賞受賞者決定のお知らせ】

2012年度 「住田正一海事奨励賞」、「住田正一海事史奨励賞」及び
「住田正一海事技術奨励賞」決定のお知らせ
社団法人日本海運集会所
住田海事奨励賞管理委員会


 
左より、田中弘之氏、多賀谷一照氏、箱井崇史氏
(2列目は、弊所理事長の清水 繁)

住田正一海事奨励賞は、永年、海運造船事業に従事するかたわら、海事資料刊行、海事史の研究を通じて、広く海事文化発展に寄与された故住田正一氏を記念して設置された。
正一氏のご子息、住田正二氏(元運輸事務次官、前JR東日本社長、現JR東日本顧問)が、1969年に創設して以来、社団法人日本海運集会所に住田海事奨励賞管理委員会を設け、選考決定している。
2002年度からは、海事史奨励賞、2008年度から海事技術奨励賞が設けられた。

 第44回となる本年度は、海事奨励賞候補作、海事史奨励賞候補作及び海事技術奨励賞候補作に意欲的な応募があった。それぞれの候補作について慎重に検討を加えた結果、海事奨励賞は多賀谷一照著『逐条解説 港湾法』(第一法規)、海事史奨励賞は田中弘之著『「蛮社の獄」のすべて』(吉川弘文館)、海事技術奨励賞は箱井崇史編著『船舶衝突法』(成文堂)に決定した。11月16日に授賞式を行い、各受賞者に賞状と賞金を贈呈した。

著者 多賀谷一照氏:『逐条解説 港湾法』(第一法規)
 
<住田正一海事奨励賞受賞理由>
 海事奨励賞の対象となった『逐条解説 港湾法』については、58年ぶりに刊行された港湾法の解説書で、平成23年港湾法大改正を反映した意欲作である点が目を引いた。さらに、単なる逐条解説だけではなく、港湾法と港湾施設管理条例等との関係に言及、港湾管理実務の法的側面が分析されており、港湾管理業務に必携の書との呼び声が高いので、十分に海事奨励賞受賞の価値があるといえよう。
 多賀谷一照氏は
、1971年東京大学法学部卒業。同大学院を経て、1978〜2011年千葉大学に奉職、2012年4月より獨協大学法学部教授。行政法、情報通信法を専攻。主たる公職としては、千葉大学副学長、NHK経営委員、総務省情報通信審議会委員、法務省出入国管理懇談会委員などがあげられ、多彩な活躍である。
 
著者 田中弘之氏:『「蛮社の獄」のすべて』(吉川弘文館)
 <住田正一海事史奨励賞受賞理由>
 海事史奨励賞としては、『「蛮社の獄」のすべて』を挙げた。幕末前夜、高野長英や渡辺崋山らが弾圧された「蛮社の獄」を詳細に記述。米国商船モリソン号打ち払い事件が、この「蛮社の獄」の発端であるといわれている。これがきっかけとなって海防問題が大いに国論を沸かせることとなった。このようなテーマは、現在に通ずるものがあるだろう。奉行所での取り調べの詳細も資料から綿密に掘り起こした労作である。
 田中弘之氏は、1964年に駒澤大学文学部歴史学科を卒業。長く駒澤大学図書館副館長であったが、その図書館における勤務の傍らこのような労作への知識を培って来たものである。
 
著者・編者 箱井崇史氏:『船舶衝突法』(成文堂)
<住田正一海事技術奨励賞受賞理由>
 海事技術奨励賞としてあげた作品は、箱井崇史編著『船舶衝突法』(成文堂)である。同書は、船舶衝突に関する法、責任原則、損害、衝突債権の実現・保全、加害船主の責任制限など、船舶衝突の問題に関し、環境損害も含めて幅広く論じたものである。また、研究者と実務家の協働作業による研究成果を集大成したもので、時宜に適した好著と思われる。
 編著者を代表して箱井崇史氏の略歴を述べると、1987年早稲田大学法学部を卒業。現在、同大学法学部教授・博士(法学)、弁護士でもある。また、早稲田大学での研究と教育への精励とともに、早稲田大学総合研究機構に属するプロジェクトの一環である海法研究所の運営でも副所長兼幹事として大きな役割を果たしている。