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【住田賞受賞者決定のお知らせ】

2011年度 「住田海事奨励賞」、「住田海事史奨励賞」及び
「住田海事技術奨励賞」決定のお知らせ

                                             社団法人日本海運集会所
                                            住田海事奨励賞管理委員会

 
左より、五艘 みどり 氏、井上 欣三 氏、吉田 宏一郎 氏
(上段は、弊所理事長の山路 明)


          ※吉田氏の「吉」は下が長い「吉」です

住田正一海事奨励賞は、永年海運造船事業に従事するかたわら、海事資料刊行、海事史の研究を通じて、広く海事文化発展に寄与された故住田正一氏を記念して設置された。正一氏のご子息、住田正二氏(元運輸事務次官、前JR東日本社長、現JR東日本顧問)が、1969年に創設して以来、社団法人日本海運集会所に住田海事奨励賞管理委員会を設け、選考決定している。2002年度からは、海事史奨励賞、2008年度から海事技術奨励賞が設けられた。
 本年度も3賞それぞれに応募作があり、選考の結果、海事奨励賞受賞作には井上欣三著『操船の理論と実際』(成山堂書店)、海事史奨励賞受賞作には森隆行・五艘みどり著『神戸 客船ものがたり』(神戸新聞総合出版センター)、海事技術奨励賞受賞作には吉田宏一郎著『海洋構造力学の基礎』(成山堂書店)が決定した。11月17日、日本海運集会所において受賞式が行われ、各受賞者に賞状と賞金が贈呈された。 


著者 井上欣三氏:「操船の理論と実際」(成山堂書店)
 <住田海事奨励賞受賞理由>
 本書は、1967年に刊行された岩井聡「操船論」およびその後1986年に刊行された本田啓之輔の「操船通論」に続くもので、船舶の安全運航に必要な操船の理論と実際を解説した待望久しい専門家向けの標準的体系書である。近年の船種多様化と大型化に対応した新しい時代の操船論である点が評価されている。また昨今の操船に関するシミュレーションなどにも言及するとともに操船の内容を数式化して客観性を示している。
 著者の井上欣三氏は、1968年神戸商船大学航海学科卒業、日本郵船入社。富山商船高等専門学校助教授を経て1981年神戸商船大学助教授、2005年神戸大学海事科学部長を経て、現在、同大学院海事科学研究科名誉教授。
 
著者 森 隆行氏・五艘みどり氏:「神戸 客船ものがたり」(神戸新聞総合出版センター)
 <住田海事史奨励賞受賞理由>
 本書は、明治以降の造船を含めた海運史を、港町神戸と客船を軸に一筆書きのように描いた著書である。わが国の客船が移民船から発展してきたとの指摘は興味深い。わが国海運は戦争と震災で大いに発展するとともに多くの災禍を被ってきた。本年の東日本大震災を経験したわれわれの目にこの記述は他人ごとではない。客船は、戦後紆余曲折の後フェリーあるいはクルーズとして蘇る。明治の勃興期にある海運業のダイナミックな発展をコンパクトに纏め印象付けることに成功した手腕には敬服する。
 
著者の森隆行氏は、1975年大阪商船三井船舶入社、商船三井営業調査室主任研究員を経て、2006年より流通科学大学商学部教授。五艘みどり氏は、ジャルパック、富士通総研シニアコンサルタントを経て、現在、神戸夙川学院大学観光文化部講師。
 
著者 吉田宏一郎氏:「海洋構造力学の基礎」(成山堂書店)
<住田海事技術奨励賞受賞理由>
 本書は、海洋プラットホームの核となる海洋構造物の計画、設計、建造、保守管理に関わる技術として重要な海洋構造力学の基礎を解説した著作である。本書は海洋構造物の基礎的なモデルから実機まで広範な対象の構造力学の精髄が解説されており意義深い。近い将来予想される地球環境・食糧・資源・エネルギー問題への対策の要請から、海洋の利用、開発あるいは海洋保全の重要性が高まり、当該分野の専門家の育成が急務である。本書はこの分野の人材育成の目的の適書である。
 
著者の吉田宏一郎氏は、1961年東京大学工学部船舶工学科卒、1984年東京大学教授、海洋開発審議会委員、日本造船学会会長を歴任し、1999年より東京大学名誉教授。