English Page
www.jseinc.org内を検索
HOME > 海運集会所のご紹介 > 「住田海事賞三賞」受賞者決定のお知らせ

刊行物の一覧・ご注文
竣工船フラッシュ
マーケット・レポート

海事契約 虎の巻

内航ニュース
海事法事例検索
雑誌記事検索
海事法律事務所
セミナー等
リンク集
採用情報
お問い合わせ
の表示があるページは当所会員のユーザIDとパスワードが必要です。
Total Access:

【「住田海事賞三賞」 受賞者決定のお知らせ】

2019年度「第51回 住田海事賞三賞」決定
各著者の集大成とも言える労作・力作が受賞
一般社団法人日本海運集会所
住田海事奨励賞管理委員会
 「第51回住田海事賞三賞」が12月1日に発表された。
 この三賞は、海事全般に関する専門図書を表彰する「住田海事奨励賞」、海事史に関する専門図書を対象とする「住田海事史奨励賞」、舶用・造船関係および広く海事技術に関わる専門図書または論文から選ばれる「住田海事技術奨励賞」の3つから構成される。
 日本海運集会所・住田海事奨励賞管理委員会で各賞の候補作について検討を重ねた結果、51回目となる今回は「海事奨励賞」に「船長論 引き継がれる海の精神」(逸見真著)、「海事史奨励賞」に「客船の世界史 世界をつないだ外航客船クロニクル」(野間恒著)、「海事技術奨励賞」には「LNGの計量 船上計量から熱量計算まで」(春田三郎著)が選ばれた。
 授賞式は11月13日に日本海運集会所で開催され、逸見氏、野間氏、春田氏に賞状および賞金が授与された。

 「住田海事奨励賞」は、故・住田正一氏の功績を記念して、ご子息の住田正二氏(元運輸事務次官、前JR東日本相談役)が1969年に創設した。住田正一氏は海運や造船事業に従事する傍ら、海事資料の刊行や廻船式目の研究などを通じ、海事文化の発展に広く寄与した。同賞に加え2002年から「住田海事史奨励賞」が、08年からは「住田海事技術奨励賞」が併せて設けられた。

 今回受賞した専門図書と授賞理由は次の通り。

左から 逸見 真 氏、野間 恒 氏、春田 三郎 氏
住田海事奨励賞
  逸見 真 著
  『船長論 引き継がれる海の精神』

   体裁:A5判/368頁 定価:3,600円(税別) 発行:海文堂出版

 本書は、逸見氏が編著者を務め2018年に発行されたエッセイ集的な本「船長職の諸相」を大幅にアップグレードした船長職業論の決定版である。船長職とは何かを歴史上の職責の変遷から明らかにするとともに、船長が直面しうる海難や法律問題、船員の気質と精神、新時代における船長の責任を論じている。
 著者の長年に亘る船長および船員教育者としての経験と考察を結実させ、今後の海事社会にフィードバックする有意義な文献であるとともに、船上に限定されない普遍的なリーダー論にもつながる点が評価された。

逸見 真  1985年東京商船大学商船学部航海学科卒。2006年筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻課程企業法コース(博士課程)修了。新和海運船長、海技大学校(現海技教育機構)練習船船長、東京海洋大学学術研究院海事システム工学部門教授、山縣記念財団評議員、日本航海学会理事などを経て2018年6月日本航海学会副会長(現職)。一級海技士(航海)。博士(法学)。


住田海事史奨励賞
  野間 恒 著
  『客船の世界史 世界をつないだ外航客船クロニクル』
   体裁: 約450頁 定価:3,000円(税別) 発行:潮書房光人新社

 本書は、19世紀の蒸気船時代から20世紀終盤に至り大型外航客船が終焉するまでの約200年間の客船史について、激動の現代史を背景に網羅的に記している。加えて技術面での解説や評価も多彩な視点から言及しており、著者の半世紀に亘る研究の蓄えすべてを吐露した集大成となっている。   世界の客船史であるとともに客船時代の世界史でもあり、また業界人や経営者が読むべき世界の主要な客船船社の経営通史と言える。内容に富んだ重厚な歴史書としての充実度が総合的に評価された。

野間 恒  1957年慶應義塾大学経済学部卒。同年大阪商船入社。1974年大阪商船三井船舶(現商船三井)ロサンゼルス駐在員。1984年商船三井ソウル首席在勤員。1988年九州急行フェリー取締役社長を経て現在は海事史研究と執筆活動に従事。「客船・昔と今」「船の美学」「豪華客船の文化史」「客船の時代を拓いた男たち」など著書多数。


住田海事技術奨励賞
  春田 三郎 著
  『LNGの計量 船上計量から熱量計算まで』

   体裁:A4判/128頁 定価:8,000円(税別) 発行:成山堂書店

 本書は、環境特性に優れ、かつ安定供給できるエネルギーとして注目を集める液化天然ガス(LNG)の計量に関する実務専門書である。春田氏は海事検定機関においてLNGの計量に係る検査業務と国際規格の開発・改訂業務に従事し、現在も同分野の専門家としてコンサルティングを行っている。
 一般的な売買契約の内容や関連企画を参照しつつ、LNG計量作業および付随する要求事項などを技術・契約の両面から包括的に解説している。実務者をはじめ関係者にとって有益な書籍である点が評価された。

春田 三郎  1978年富山商船高等専門学校(現富山高専)航海学科卒。同年大阪商船三井船舶(現商船三井)入社。1985年日本海事検定協会入会。同協会検査第二部LNGチーム・チームリーダー、ISO/TC28/SC5 WGコンビーナなどを経て2004年ニューヨーク州立大学卒。2008年英国立エクセター大学修士課程修了。現在はLNG計量に関わるコンサルティング業務などに従事。


※ 著者の経歴については各書から抜粋し編集部でまとめています。