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「住田海事賞三賞」 受賞者決定のお知らせ

2021年度「第53回 住田海事賞三賞」決定
海運・造船の来歴をひもとく評伝集と学術書に決定
一般社団法人日本海運集会所
住田海事奨励賞管理委員会
 第53 回「住田海事賞三賞」が12 月1 日に発表された。
 この賞は、海事全般に関する専門図書を表彰する「住田海事奨励賞」、海事史に関する専門図書を対象とする「住田海事史奨励賞」、舶用・造船関係および広く海事技術に関わる専門図書または論文から選ばれる「住田海事技術奨励賞」で構成される。
 
 今回も日本海運集会所の住田海事奨励賞管理委員会で各賞の候補作について検討を重ねた結果、「住田海事奨励賞」に『日本の海のレジェンドたち』(山縣記念財団80 周年記念出版編集委員会 編)、「住田海事史奨励賞」に『日本近代造船の礎 ヘダ号の建造』(伊藤 稔 著)が選ばれた。海事技術奨励賞は該当作がなかった。
授賞式は11月12日に日本海運集会所で行われ、山縣記念財団の郷古達也理事長と信州大学の伊藤稔名誉教授にそれぞれ賞状と賞金が授与された。
 
 本賞は、海運、造船事業に長く従事する傍ら、海事資料の刊行や廻船式目の研究などを通じて海事文化の発展に広く寄与した故・住田正一氏の功績を記念して創設された。ご子息の住田正二氏(元運輸事務次官、元 JR東日本相談役)が 1969年に「住田海事奨励賞」を創設し、加えて2002年に「住田海事史奨励賞」が、2008年に「住田海事技術奨励賞」が併せて設けられ、現在に至る。

 今回受賞した専門図書と授賞理由は次のとおり。

左から 伊藤 稔 様、郷古達也 様

住田海事奨励賞
  山縣記念財団80 周年記念出版編集委員会 編
  『日本の海のレジェンドたち』
  体裁:A5判/ 288 頁  定価:2,750円(税込)  発行:海文堂出版株式会社

 本書は、日本の江戸時代から昭和に至る海運・造船・海上保険など海事産業に大きな足跡を残した23 人余の物語性豊かな評伝集である。海事に深い知見を持つ研究者や対象とする人物に詳しい著者など21 人によって執筆され、山縣記念財団の80 周年を記念して編まれた。
 登場人物は、歴史好きなら誰でも知っている勝海舟、坂本龍馬などから、江戸時代に稀有な体験をした有名無名の漂流者、現代の海事産業界の人がよく知る偉大な先達まで多彩に取り上げられている。
 一編は平均12 ページ前後と海事に詳しくない読者も容易に読み切れる構成となっており、それぞれのエピソードは“ いいとこどり” ではなく実際に生きた人間のリアルな姿を描いている。日本の海のレジェンドたちをほぼ網羅しつつ、誰にでも読みやすい本にして社会に発信する、という海事広報的な企画の素晴らしさが評価された。

【山縣記念財団80周年記念出版編集委員会メンバー】
代表委員:苦瀬博仁(東京海洋大学名誉教授、流通経済大学教授)、木原知己(早稲田大学大学院非常勤講師)
委  員:逸見真(東京海洋大学教授)、伊藤義和(山縣記念財団評議員)、中出哲(早稲田大学商学学術院教授)、郷古達也(山縣記念財団理事長)
事 務 局:松尾泰彦(山縣記念財団理事)


住田海事史奨励賞
  伊藤 稔 著
  『日本近代造船の礎 ヘダ号の建造』

  体裁:四六判/ 192 頁  定価:2,200円(税込)  発行:羽衣出版

 本書は、日本最初の洋式帆船「ヘダ号」が建造された事績を研究した学術書である。1854 年に開国交渉の目的で伊豆半島の下田に来航したロシア使節の乗艦「ディアナ号」が安政東海地震で遭難・沈没したため、その代船としてロシア人指導のもと日本の船大工が「ヘダ号」を建造した。
 著者は物理学(光物性)専門の理学博士として大学で教育・研究に携わり、定年後に沼津へ移住。同地で建造された「ヘダ号」の事績を知り、再建プロジェクトの立ち上げから関わりつつ本研究に取り組んだ。
 第一部「日本近代造船の礎 洋式帆船ヘダ号の設計図を復元する」と第三部「幕末期におけるわが国への船台式ドックの導入」は船舶工学の専門家から見ても高水準の研究内容であること、加えて、まだ多くの人に知られていない「ヘダ号」建造という日本近代造船の礎と言うべき事績を広く紹介する書籍であることが評価された。

【伊藤 稔】
1945 年名古屋市に生まれる。信州大学名誉教授 物理学(光物性)理学博士。



※編者の紹介および著者の経歴については書籍から抜粋し、海事情報事業グループでまとめています。